Clockの物語

80年代の初めはUmbraにとって苦闘の毎日でした。同社の社名を冠した初の商品はプリント紙製のウィンドシェードで、評判にはなりましたが利益は取れませんでした。その時気付いたのは、シェードという、各家庭の窓に応じた多数のサイズやカラー展開が必要となる商品より、カジュアルで値段も手頃、かつモダンなインテリアや雑貨の需要が高いということでした。シェードはディスプレイも在庫管理も難しく手間がかかりました。そこで私はビジネスパートナー兼共同創立者のポール・ローワンに、壁にかけたり店の陳列棚に置いてディスプレイできる商品を開発するよう提案しました。

また、家庭用品に転用できる新しい技術に目を光らせることも怠ってはいけません。当時はコンセント式の時計から電池式でどこにでも置ける時計への移行が進んでおり、新規メーカーが電池式時計に参入しやすい状況になってきていました。

私達は当時既にシカゴの家庭用品展示会(Chicago Howsewares Show)に出展するようになっており、ある時隣の小さなブースでBrodというモダンなガラスの時計が展示されていました。私達はその出展企業と親しくなり、カナダの販売権を獲得しました。ビジネスは非常に順調に成長し、やがて私達はコストカットのために自社で時計を製造し、その企業にロイヤリティを支払って販売できないかと持ちかけました。ビジネスは更に発展し、私達はBrodより高性能で低価格の時計を製造できるようになり、自社独自デザインと素材を取り入れるようになりました。同時にBrodの業績は思わしくなくなり、会社を売却することになり、ほどなくして時計の製造自体を止めることになった為、Umbraは同社との契約を買い取り、世界規模のクロックビジネスに乗り出しました。ポールは、メゾナイトとフォーム材製の時計をプリントビニールで被覆する技術を編み出し、アイスクリーム型をはじめとする様々なユニークな形の時計を作り出しました。これらの時計は大ヒットし、その後の時計業界に大きな変化をもたらしました。